耳をすませば実写版
1995年に公開されたジブリ映画『耳をすませば』が清野菜名、松坂桃李のダブル主演で10年後のオリジナルストーリーを加え実写版として映画化される。公開日は2020年9月18日(金)予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により海外への渡航及び撮影が中止となり、公開が延期された。新しい公開日は2021年5月時点で未定である。
月島雫(つきしま しずく)清野菜名
小説家になるのが夢だった月島雫(つきしま しずく)は、毎日のように図書館に通い本を読んでいた中学3年生の時、ヴァイオリン職人になる夢を持った天沢聖司(あまさわ せいじ)と出会った。10年の月日が流れ24歳になった出版社で児童小説の編集者になった月島雫を『今日から俺は!!劇場版』の清野菜名が演じる。
天沢聖司(あまさわ せいじ)松坂桃李
ヴァイオリン職人になるのが夢だった天沢聖司(あまさわ せいじ)は、図書カードで知った雫のことが気になり、自分の存在を雫に気づいてもらおうと雫よりも前にたくさん本を読んでいた。10年経った今もヴァイオリン職人になる夢を追い続け、海外で暮らす天沢聖司を『蜜蜂と遠雷』の松坂桃李が演じる。
耳をすませば あらすじ(アニメ版)
中学校3年生の月島雫(つきしま しずく)は読書好きで図書カードに見覚えのある「天沢聖司(あまさわ せいじ)」という名前を発見する。手元にあった別の本の図書カードを確認したらそこにも「天沢聖司」の名前が書かれていた。自分よりいつも先に本を借りて読んでいるこの「天沢聖司」ってどんな人なんだろう、素敵な人かなと柔らかな思いを馳せていた。
ジブリ映画『耳をすませば』予告編 pic.twitter.com/u1gLEaSix8
— でみたす@映画ブログ (@demi_kimura) May 5, 2021
耳をすませばネタバレ感想
ジブリ映画『耳をすませば』は大好きで、これまでに100回以上観ている生粋の耳すまファンなので評価はもちろん最高の星10です。『耳をすませば』は甘酸っぱい柑橘系初恋アニメなので、ぜひ中高生に観てもらいたいジブリ映画です。
耳すまは中学生の恋愛映画
主人公・月島雫(つきしま しずく)の親友の原田夕子(はらだ ゆうこ)は野球部の杉村のことが好きで、杉村は月島雫が好きっていう、中学生でこの超近距離三角関係は甘くて酸っぱくてキュンキュンしちゃいます。そこに突如として現れた天沢聖司(あまさわ せいじ)に杉村はどんな感情を抱いたのかを考えると悶々としますね。
野球部の男の子 → 夕子 → 杉村 → 雫 ⇔ 聖司
恋愛っていつも単純で複雑ですよねw
神社で男になった杉村
杉村が雫に告白するシーン大好きです。こんなに純粋で素朴で唐突でまっすぐな告白シーンは後にも先にも観たことないです。何回見てもドキドキします。ここで少し不思議なのは雫が杉村に「夕子はね、あんたのことが好きなの」って言ってるんですよね。いや、めっちゃあっさりバラすやんwそれそんな簡単に言っちゃダメでしょw
聖司とバイオリンとカントリーロード
告白されたあとの雫の動揺も鼓動、呼吸がすごくリアルに表現されていてとても良いんです。雫は杉村の気持ちを知らなくて、鈍いのは私じゃないかって言って落ち込んで、気を紛らわすため地球屋に行くとちょうど帰ってきた聖司くんと会って、お店に入れてもらって耳をすませばの名シーンであるカントリーロードの合奏シーンになるんです。
耳をすませば作画ミス
さすがに耳すまを100回以上観ていると細かいところに目がいきます。たぶん世界でまだ誰も指摘していないであろう図書カードの作画ミスを発見したので共有しておきます。耳すま作画ミスでは洗剤ワープが有名です。
図書カードの作画ミス
物語冒頭で雫が図書カードに「天沢聖司」という名前を見つけて他の本の図書カードを確認するシーンで、『炎の戦い』『とかげ森のルウ(5)』『ウサギ号の冒険』という三冊の本の図書カードが描写されました。最初の表示シーンでは雫が三冊分を手に持って並べて表示され、すぐにそれぞれの図書カードにクローズアップして表示され、そして雫がベッドに横たわってから三回目に再度三冊分が並べて表示されます。この流れの中でなぜか『とかげ森のルウ(5)』の図書館貸出カードの表記内容が変わります。
耳をすませばで有名な作画ミス
耳をすませばで有名な作画ミスに洗剤ワープがあります。聖司君がイタリアに旅立ったあと、雫も自分の才能を確かめるために小説を書き始めますが、その影響で成績が大幅に下がってしまい雫のお母さんが学校から呼び出されてしまいます。その夜、姉の汐(しほ)と進路のことで言い争いになりますが、お父さんが帰ってきて二人をなだめた後の家族会議のシーンで、雫の後ろのキッチンの洗剤が右から左に移動してそしてまた右に戻るというものです。
耳すま引き違い戸の作画ミス
細かすぎる作画ミスだと、雫が飛行船を見つけて「今日はいいことありそう」と言って戸を閉めるシーンがあるのですが、その戸が雫から見て左で手前にあります。引き違い戸における右前の原則というのがあり、ご自宅の戸をみるとわかると思うのですが、屋内から屋外を見て左側の戸が奥、右側の戸が手前が通常なんです。
耳をすませば地図
耳をすませばで少し混乱するのが地理、各施設の位置関係です。主要な場所は「家」「学校」「図書館」「地球屋」で、これらの移動が徒歩だったり電車だったりするので混乱するのですが、まとめると実は単純だったりします。
建物の位置関係
雫が作中で電車に乗ったのは3回です。1回目の乗車シーンは図書館にいるお父さんにお弁当を持って行った時でムーンと遭遇した時です。雫は自宅の最寄駅である「向原駅」から乗車し隣駅で図書館の最寄駅である「杉の宮駅」で下車しました。このシーンでは帰り道の描写もあるのですが帰りは徒歩です。
家(向原駅) → 学校 → 図書館(杉の宮駅) → 地球屋
距離でいうと1駅分しかないのですが、高さがあるんです。家から学校への通学シーンが上りで、学校から図書館への道も上りで、図書館から地球屋への道も上りです。
耳をすませば聖地巡礼マップ
耳をすませばの舞台で、耳すま聖地と言われているのは東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘(せいせきさくらがおか)です。耳すまファンの私も10年以上前になりますが聖地巡礼で聖蹟桜ヶ丘に行ったことがあります。聖蹟って読みづらいですが「せいせき」と読みます。
いろは坂
いろは坂は雫が駅から図書館に向かう坂道のモデルで、途中にある歩行者用の長い階段は、雫が地球屋に向かう時に登った松並木の階段のモデルになっている。雫が通う杉宮図書館の場所には、実際は「いろは坂桜公園」という公園がある。
金比羅神社
いろは坂の頂上付近にある金比羅神社は、雫のクラスメイトの杉村が雫に告白した神社のモデルです。行くとなんだか勇気が湧いてきて、愛のパワースポットなんじゃないかと思えてきます。成就しなかったけど。
天守台
天守台は雫が初めて地球屋に行った帰り、お父さんにお弁当を届け忘れて慌てて図書館に向かうシーンで、地球屋の店主の西さんに教えてもらった図書館までの近道で雫が「いいとこ見つけちゃった。物語に出てくるお店みたい」とテンションMAXウキウキで駆け下りた階段の入口のモデルです。作中では「天守の丘」と書かれている。
地球屋前ロータリー
いろは坂を登りきって道なりに約500m進んだところにあるロータリーが、地球屋の目の前のロータリーのモデルになっている。ロータリーに洋菓子屋ノアというお店があり、ファンが思いを綴る耳すまノートがあり、耳すまクッキーが売られている。
耳丘
耳丘はラストシーンで聖司が雫に告白した場所のモデルです。「俺と結婚してくれないか」なので告白ではなくプロポーズでしょうか。耳丘は立入禁止なので、聖地巡礼で訪れた場合は遠目からフェンス越しに見てください。
耳をすませば声優
月島雫 / 本名陽子
天沢聖司 / 高橋一生
月島靖也 / 立花隆
図書館で働く雫の父・月島靖也(つきしま せいや)の声優はノンフィクション作家の立花隆が務めた。立花隆は耳をすませばが公開された1995年に東京大学先端科学技術研究センター客員教授に就任している。
月島朝子 / 室井滋
雫の母で社会人学生として大学院(修士課程)に通っている月島朝子(つきしま あさこ)の声優は、女優の室井滋が演じている。
バロン / 露口茂
高坂先生 / 高山みなみ
雫が通う向原中学校の保健室の先生、高坂先生(こうさかせんせい)を名探偵コナンの江戸川コナン役でお馴染みの高山みなみが務めている。高山みなみは1989年公開ジブリ映画『魔女の宅急便』キキ役で主人公を演じている。
北 / 鈴木敏夫
耳をすませば裏話
隠れジブリキャラ
耳をすませばの作中に、となりのトトロ、魔女の宅急便、紅の豚のポルコ・ロッソ(Porco Rosso)、海がきこえるの杜崎拓と武藤里伽子など、ジブリ作品の文字やキャラクターがカメオ出演しています。
猫の恩返し
2002年公開のジブリ作品『猫の恩返し』は耳をすませばの主人公・月島雫が書いた物語という設定です。猫の恩返しは耳をすませばのスピンオフという関係で続編は作らない主義のスタジオジブリが試みた唯一の続編相当作品です。
霧のむこうのふしぎな町
エンドロール
エンドロールが流れだしてからもまだアニメは続いているのですが、そこに雫に告白した野球部の杉村と、雫の親友の原田夕子が登場します。二人は待ち合わせた感じで一緒に歩き出すのです。ここにもまた一つの恋が。近藤喜文監督、ナイスです!
耳をすませば作品情報
タイトル | 耳をすませば |
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公開日 | 1995年7月15日 |
上映時間 | 111分 |
ジャンル | アニメ, 恋愛, 青春 |
監督 | 近藤喜文 |
主題歌 | 本名陽子『カントリー・ロード』 |
原作 | 柊あおい『耳をすませば』 |
声優キャスト | 本名陽子, 高橋一生, 立花隆, 室井滋, 露口茂, 小林桂樹 |
耳をすませば主題歌カントリー・ロード
1.丘の町
2.猫を追いかけて
3.地球屋
4.エルフの女王
5.夏の終わり
6.打ち明け話
7.電車に揺られて
8.丘の上,微風あり
9.エンゲルス・ツィマー(天使の部屋)
10.バイオリン・チューニング
11.カントリー・ロード
12.満天の夜空
13.流れる雲,輝く丘
14.きめた!わたし物語を書く
15.飛ぼう!上昇気流をつかむのだ!
16.古い木版画
17.カノン
18.迷いの森
19.追憶
20.バロンのうた
21.夜明け
22.カントリー・ロード
オリビア・ニュートン=ジョン「Take Me Home, Country Roads」
耳をすませば本編オープニングテーマはオリビア・ニュートン=ジョンが歌う「Take Me Home, Country Roads」が使用されている。