映画セトウツミとは
映画セトウツミは此元和津也さんの別冊少年チャンピオンに掲載されていた漫画作品が原作で高校生の瀬戸と内海が川の前で話すだけという非常に挑戦的な映画です。サッカー部をやめて暇になって川にいる瀬戸小吉(せと しょうきち)役を仮面ライダーWで主演を務めドラマデビューし2013年に『共喰い』で第37回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞した菅田将暉が、成績優秀で塾までの暇つぶしのため川にいる内海想(うつみ そう)役を映画初出演がハリウッド映画『ラストサムライ』で2014年には第38回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞した池松壮亮がダブル主演としてそれぞれ演じている。
お寺の娘で内海想に好意を寄せる樫村一期(かしむら いちご)役は『劇場版 零-ゼロ-』で主演を務め本作が3本目の映画出演となる中条あやみが演じた。本作で菅田将暉は第26回日本映画プロフェッショナル大賞 主演男優賞を受賞し、中条あやみは第71回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞している。
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映画セトウツミ評価
映画セトウツミは上映時間が75分と短いですし基本的にずっと川の前で二人が喋っているだけなので普通の映画として見るとなんか違うとなりますが、壮大な漫才映画としてみると非常におもしろい作品なので評価は星7です。関西弁がわかる方でちょっと落ち込んでいてクスッと笑いたい方にはめちゃくちゃおすすめできる作品です。
セトウツミはお笑い動画としておもしろい
映画セトウツミを鑑賞して正月早々笑えました。テレビ放送を録画していて2019年の初映画として鑑賞しましたが録画しておいて大正解でした。原作の漫画を読んだことないですけど、読まなくてもわかります。原作の漫画絶対おもしろい!この作品のキャッチコピーが「この川で暇をつぶすだけのそんな青春があってもええんちゃうか」なんですけど本当に川で二人の高校生が喋って暇をつぶすだけの斬新な映画でした。
問題はこの作品を映画とするか否かですね。内容は長編漫才で75分縛りの漫才というルールのM-1なら間違いなく優勝でしょうけど75分という短さなので映画として映画館で見るほどではないかなと思ってしまいました。池松壮亮さんが舞台挨拶で撮影期間は一週間で手応えもクソもないと発言していましたが映画評論家という肩書の人にとって映画セトウツミは評価できない作品ではないでしょうか。どんな評価を下したのか気になるところですね。第1話から始まり第0話を挟んで第6話で終わってエピローグを含めて全8話構成の見せ方です。それぞれ10分程度の短い物語なのであらすじと感想を一緒に綴りたいと思います。
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セトウツミ あらすじとネタバレ感想
第1話 セトとウツミ
セトはウツミに神妙な面持ちをしてみてくれとリクエストする。笑ってる。今度は深刻な話しをするからその後に神妙な面持ちをしてくれと頼む。
「うちの親今度離婚すんねん」
突然の告白に神妙な面持ちになる。
鳴山(なるやま)という暴力で高校を支配してる不良の先輩のこれからを考察する。あの手のタイプの方が成功できるという結論。川の前にずっと立ってるおっさんがいた。セトにそそのかされてウツミはおっさんの顔を見に行く。30代から50代ぐらいの白骨死体ばりの推定年齢の普通のおっさん。突然鳴山が現れておっさんの元へ向かった。おっさんは鳴山の父親だった。18歳の誕生日までの約束だった最後の養育費を手渡した。
神妙な面持ちになる。
これ面白かったです!笑ってしまいました。神妙な面持ちがネタふりでうまいことおとしましたね笑
第2話 アメとムチ
樫村さんの連絡先をゲットして喜ぶセトは一発目のメールの内容をウツミに相談する。未送信のメールを確認したら脅迫声明文で一周半回ってちょうど怖い内容だった。無難に晩御飯についての内容のメールを送った。
樫村さんとどうすればうまくいくのか聞いてくるセトにウツミはアメとムチを上手に使うことだと説く。効率を重視するウツミにセトはお前はそういう所が人間ぽくなくてダメだと諭しながらもさっそくアメとムチを使いこなす。
セトはバレンタインのチョコを12個も貰うモテ男子だった。ウツミは1つだけだったがその1つは樫村さんからだった。セトのスマホに樫村さんから返信メールが来た。
「どちら様?」
ウツミの樫村さんのマネは声出して笑ってしまいましたw池松さん自身が樫村のマネしてる時ちょっと笑ってしまってるのもいいんですよね。第2話はセト役の池松さんが輝いてる回で池松壮亮ファンは必見です。
第3話 イカクとギタイ
セトが思いついた面白い遊びのフシがある選手権が開催される。
これは時間が短かめの内容ですが淡々とコンパクトにまとめられてて良かったです。
第0話 内海想の出会い
塾に行くまでの1時間30分の暇つぶし。川の前を自分の居場所にした内海は樫村に話しかけられ暇をつぶすだけの青春を切望する。内海は初対面の同級生の堤から瀬戸というヤツがサッカー部を辞めたということを聞かされる。その瀬戸が暇つぶしの川に来た。次の日もいた。そして次の日も。
この回は内海と樫村の出会い、内海と瀬戸の出会いを描いた回でボケの量は減っているけど内海のつっこみは健在で良かったです。そして樫村役の中条あやみさんの黒髪ツインテールが可愛いすぎる!この回は中条あやみファン必見です。
第4話 先祖と子孫
夏休みの二人はいつもの川で花火をしてる。家にでっかい蜘蛛が出たから蜘蛛が嫌がる木酢液をまいて追い出そうとしたらおじいちゃんが出て行った。お化けについて話していると木の後ろに人影が現れお化けだとビビってたら出て行ったおじいちゃんだった。
木酢液のくだりは普通に笑ったw菅田将暉さんの喋る間が絶妙でした。この回は二人の友情も垣間見れていいですね。
第5話 瀬戸小吉の憂鬱
セトは競馬を見ておもしろかったとウツミに話すがウツミはその際のセトの馬の数え方が気になる。馬を一頭ではなく一匹で数えるからカエルを思い出す。
セトの数え方に何の違和感もなかったですが言われてみればなるほどの内容でした。原作者の方は日常の何気ない部分への着目がすごいですね。一匹と一頭と数える境目は何かって質問の答えが狼で、一匹狼という言葉が前段に続いてるのもうまいなと思いました。
第6話 出会いと別れ
ウツミはベラルーシから来たバルーンさんとセトの誕生日を祝う。クラッカーを鳴らして誕生日プレゼントをあげたところで飼い猫が死んだと告白し落ち込むセト。
途中でバルーンさんが加わって三人になりますがすぐにバルーンさんは去って二人になってほしかったですね。監督は最初から最後までずっと二人の状況に最後の最後で耐えられなくなったのでしょうか。バルーンさんが二人の名前を呼ぶシーンがありますが初絡みで呼び捨てだしなんだか違和感がありました。
エピローグ 樫村一期の想い
樫村は下校する内海をあとをついていくが相手にしてもらえない。思わず感情的になったが内海はいつもと変わらずクールにつっこむ。真冬に一人でいつもの川で待っている瀬戸は内海にメールを送っても樫村にメールを送っても返事がなく、ついにルーベンスの絵の前で倒れてしまうが温かいミルクティーで息を吹き返す。
エンディングのミルクティーは好きです。この映画の無音での終わらせ方としては最高じゃないですかね。
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セトウツミのロケ地はどこ?
セトウツミのロケ地は大阪府堺市堺区戎島町付近で戎公園(ザビエル公園)の前の川辺が瀬戸と内海がいつも座って喋っていたところです。
南海本線堺駅前ロータリー横から乗船できる観濠クルーズの運行ルートでもあり春には桜が綺麗ですので観光がてら聖地巡礼するなら春がおすすめです。ちなみに映画のオープニングは観濠クルーズにて撮影された映像です。
樫村一期の実家で中条あやみさんがホウキで掃き掃除していたのは西然寺というお寺です。
大阪府堺市堺区戎之町東5-1-32
瀬戸のおじいちゃんが徘徊していたのは歌人・与謝野晶子が生まれ育った場所に一番近い商店街という、大阪の商人魂が溢れにあふれまくってる触れ込みの堺山之口商店街です。
「エピローグ 樫村一期の想い」で樫村が内海にビンタしたのは阪堺電軌阪堺線の石津北駅です。
セトウツミ関西弁
この記事を書くにあたって調べてびっくりしたのですが池松壮亮さんて福岡県出身なんですね。私は関西出身なのでネイティブな関西弁かどうかがすぐにわかるんですが池松壮亮さんの関西弁はめちゃくちゃうまかったです。菅田将暉さんも中条あやみさんも大阪府出身なのでネイティブなのですが池松壮亮さんの関西弁も完全にネイティブだと思いました。
個人的に映画とかドラマに関西弁問題というのがあります。ネイティブじゃない関西弁だと違和感がすごいんです。いきなり外国人に片言の日本語で喋りかけられたような感じです。どうしても関西弁じゃないとダメな役なら関西出身の役者さんを使うべきだと思うし、どうしてもその役者さんじゃないとダメなら標準語でいいと思うんですよね。スタッフに関西人もいるはずなのになぜかヘタな関西弁を平気で使いますよね。
そこにきて池松壮亮さんの関西弁の上手さ。これぐらいうまかったらもはや脱帽です。役者の鑑ですね。ちなみに池松壮亮さんの声とイントネーションは又吉直樹さんに似てました。関西弁の映画って関西人以外の方にもきちんと伝わっているのでしょうか?怒り口調だけどまったく怒ってなかったりする時とかあるんですけど、そういう細かいニュアンスも伝わってるのかな?それがよくわからないので関西弁の作品て関西人以外の友人におすすめできないんですよね。それが残念です。
映画セトウツミ作品情報
公開日:2016年7月2日
上映時間:75分
監督:大森立嗣
音楽:平本正宏
キャスト:池松壮亮, 菅田将暉, 中条あやみ
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